ソロモンの犬 道尾秀介

 タイトル縛りのせいか、十二支シリーズと銘打たれている内の第2作目。
 道尾氏の作品は読み終わった後、自分の中に何の影響も残さないんだけど、読んでいる最中は楽しめるので、結構好きだったりする。ファーストフードみたいな気軽さがすごく良い。個人的には、伊坂幸太郎氏も同じタイプだと思う。


 さて本作だが、完成度は低いと思う。ミステリー、青春、動物を軸にストーリーが展開するんだけど、これらの歯車がうまく噛み合っていないような印象を受けた。「シャドウ」はこういった部分がうまかっただけに残念。
 最近作者は順調に文学賞を積み立ててきているので、「カラスの親指」以降が狙い目かもしれない。個人的には、後味が超絶に悪い大ベストセラー「向日葵の咲かない夏」がオヌヌメ

ソロモンの犬 (文春文庫)

ソロモンの犬 (文春文庫)

13冊目。