CREATURES ストレイテナー

 今年最初の新譜。
 このアルバムをACIDMANでたとえると、懸命の銘で終わってしまったgreen chordだと思う。なんというか不完全燃焼気味である。あくまで超個人的に。


 Man-like Creaturesなんてものすごいポテンシャルを持った一曲だったのに、アルバム曲にはそれがほとんど含まれていなかった。さらにシングル曲が中盤までに出尽くしたせいで、DONKEY BOOGIE DODO以降が若干投げやりに聴こえる。まあ、単純に僕が期待しすぎていたんだろうなと思う。
 ボロカスに書いているように見えるけど、OWLの「NaNaNaNaNa〜」という部分を口ずさんでいたり、DONKEY BOOGIE DODOの「Oi」というホリエアツ氏の小さな掛け声が好きだったりと、なんだかんだで気に入っている。


 オススメはMan-like CreaturesとDark Blue Day。この2曲は文句なしに素晴らしい。

CREATURES

CREATURES

悼む人 天童荒太

 今更ながらに読了。
 人に薦められるかと問われれば、そうではないと答えるし、かと言って、面白くなかったのかと訊かれれば、面白かったよと答える。そんな感じの小説。
 僕はまだ年齢が二十代前半なので『死』というものがおぼろげである所為か、読み進めていてそんなに痛みを伴わなかった。でも五十代以上の方だと、真正面からは受け入れ難いんじゃないかな。


 最後らへんで、母ちゃんが癌で死にそうなのに、主人公は余所の女とセックスしまくっているのはどうだろう。状況的に主人公が母ちゃんのことを知り得ないとしても、これは残念だったなぁ。

悼む人

悼む人

12冊目。

氷菓 米澤穂信

 新幹線でちょいと移動する用があったので、暇つぶし用として購入。
 

 古典部シリーズ、第1作目。
 作者のデビュー作らしいが、既に文体やキャラクターの傾向はこの時点で確立されていたようだ。傍観主義者の主人公、殺人のないミステリ、オチに一口の毒、とお約束のように盛り込まれていた。
 個人的には一点目がやたらと鼻についてしょうがないのだけれど、この作者のオチが好きなので充分に楽しめた。

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

11冊目。

ハサミ男 殊能将之

 叙述ミステリと知りつつも、結構楽しめた。何よりもタイトルが秀逸。
 読み終わった後、自殺願望であり、シリアル・キラーでもある「ハサミ男」が萌えキャラに変わりました。

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

10冊目。

しゃばけ 畠中恵

 店頭の目立つ位置に並んでるので、ちょっと気になって買ってみた。
 結論から言えば、あんまり面白くはない。好きな人もいるんだろうけど、どうにも中途半端な作品に感じた。
 文章も、設定も、登場人物も、ストーリーも、どこか不安定さが付き纏っている。処女作なので致し方ないとは言えども、かなり気になった。たぶん最新作辺りは文章も展開力も、かなりこなれてはいるんだろうけど、第一作がこれではあんまり期待できない。


 比べちゃ駄目なんだろうけど、宮部みゆきはやはり凄いと思った。
 個人的には不評である「おそろし 三島屋変調百物語事始」でも、しゃばけよりは面白いんじゃないかなぁ。

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

9冊目

バイバイ、エンジェル 笠井潔

 ブラックラグーンにて哀れな高校生が呟いていた頃から、読もう読もうと思って早三年以上が経ってしまった、矢吹駆シリーズ。さらに読み終わるまで半月ほど要してしまうという、なかなかの曲者だった。
 さて内容だが、主人公の矢吹駆と語り部のナディア・モガールがある殺人事件を巡って推理対決をするというものである。本格ミステリらしいので、僕も負けじと挑んでみたが、どうやら僕の頭脳はナディアレベルだったらしい。駆にボコボコに論破されるだけでなく、彼の喋っている話もよく分かんなかったので、どうやら完全に作者の掌で踊らされてしまった格好となった。悔しい次第である。
 感想としては、奇麗なミステリだったなぁ、と思わず感心してしまう出来だ。巷で流行っているのは叙述トリックが多いので、それに飽きた人は読んでみてもいいかもしれない。まあ、地味だけどね(←負け惜しみ)。


 余談だが、ナディアが誰かに似てるなぁと読みながら思ってたけど、推理披露のシーンで「あぁ、コイツか」と気付いた。森博嗣氏のS&Mシリーズに出てくる西之園萌絵である。これ結構グレーなんじゃないかという読者の心配と同様、当然ながら森氏にも自覚はあったようで、この本を執筆前に読んでいたらS&Mシリーズはなかっただろうと言っている。
 ……ネタって結構被るんだな。

バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)

バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)

8冊目

朝青龍引退

 ヒール役を辞めさせて、どうするんだろ。良くも悪くもドルジという存在で、現在の大相撲は成り立っていたのにねぇ。
 今度は白鵬にターゲットが移るわけだが、またまた外人力士だからってドルジ達のように追い込むんでしょうか?

 
 まぁ、とにかくお疲れ様でした。素行は褒められたもんじゃなかったけど、相撲は面白かったです。