CREATURES ストレイテナー
今年最初の新譜。
このアルバムをACIDMANでたとえると、懸命の銘で終わってしまったgreen chordだと思う。なんというか不完全燃焼気味である。あくまで超個人的に。
Man-like Creaturesなんてものすごいポテンシャルを持った一曲だったのに、アルバム曲にはそれがほとんど含まれていなかった。さらにシングル曲が中盤までに出尽くしたせいで、DONKEY BOOGIE DODO以降が若干投げやりに聴こえる。まあ、単純に僕が期待しすぎていたんだろうなと思う。
ボロカスに書いているように見えるけど、OWLの「NaNaNaNaNa〜」という部分を口ずさんでいたり、DONKEY BOOGIE DODOの「Oi」というホリエアツ氏の小さな掛け声が好きだったりと、なんだかんだで気に入っている。
オススメはMan-like CreaturesとDark Blue Day。この2曲は文句なしに素晴らしい。
- アーティスト: ストレイテナー
- 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
- 発売日: 2010/03/03
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 58回
- この商品を含むブログ (51件) を見る
悼む人 天童荒太
今更ながらに読了。
人に薦められるかと問われれば、そうではないと答えるし、かと言って、面白くなかったのかと訊かれれば、面白かったよと答える。そんな感じの小説。
僕はまだ年齢が二十代前半なので『死』というものがおぼろげである所為か、読み進めていてそんなに痛みを伴わなかった。でも五十代以上の方だと、真正面からは受け入れ難いんじゃないかな。
最後らへんで、母ちゃんが癌で死にそうなのに、主人公は余所の女とセックスしまくっているのはどうだろう。状況的に主人公が母ちゃんのことを知り得ないとしても、これは残念だったなぁ。
- 作者: 天童荒太
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/11/30
- メディア: 単行本
- 購入: 9人 クリック: 104回
- この商品を含むブログ (171件) を見る
しゃばけ 畠中恵
店頭の目立つ位置に並んでるので、ちょっと気になって買ってみた。
結論から言えば、あんまり面白くはない。好きな人もいるんだろうけど、どうにも中途半端な作品に感じた。
文章も、設定も、登場人物も、ストーリーも、どこか不安定さが付き纏っている。処女作なので致し方ないとは言えども、かなり気になった。たぶん最新作辺りは文章も展開力も、かなりこなれてはいるんだろうけど、第一作がこれではあんまり期待できない。
比べちゃ駄目なんだろうけど、宮部みゆきはやはり凄いと思った。
個人的には不評である「おそろし 三島屋変調百物語事始」でも、しゃばけよりは面白いんじゃないかなぁ。
- 作者: 畠中恵
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/03/28
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 125回
- この商品を含むブログ (529件) を見る
バイバイ、エンジェル 笠井潔
ブラックラグーンにて哀れな高校生が呟いていた頃から、読もう読もうと思って早三年以上が経ってしまった、矢吹駆シリーズ。さらに読み終わるまで半月ほど要してしまうという、なかなかの曲者だった。
さて内容だが、主人公の矢吹駆と語り部のナディア・モガールがある殺人事件を巡って推理対決をするというものである。本格ミステリらしいので、僕も負けじと挑んでみたが、どうやら僕の頭脳はナディアレベルだったらしい。駆にボコボコに論破されるだけでなく、彼の喋っている話もよく分かんなかったので、どうやら完全に作者の掌で踊らされてしまった格好となった。悔しい次第である。
感想としては、奇麗なミステリだったなぁ、と思わず感心してしまう出来だ。巷で流行っているのは叙述トリックが多いので、それに飽きた人は読んでみてもいいかもしれない。まあ、地味だけどね(←負け惜しみ)。
余談だが、ナディアが誰かに似てるなぁと読みながら思ってたけど、推理披露のシーンで「あぁ、コイツか」と気付いた。森博嗣氏のS&Mシリーズに出てくる西之園萌絵である。これ結構グレーなんじゃないかという読者の心配と同様、当然ながら森氏にも自覚はあったようで、この本を執筆前に読んでいたらS&Mシリーズはなかっただろうと言っている。
……ネタって結構被るんだな。
- 作者: 笠井潔
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1995/05/12
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 70回
- この商品を含むブログ (87件) を見る